得意なこと 笑われること

就活の履歴書、
「得意な科目・分野」「自覚している性格」「スポーツ・クラブ活動・などの体験から得たもの」「特技など」という名の4つのフリースペースには時々、控えめに長考させられてきた訳だがしょせんはアルバイト、という妥当な甘えで毎度のこと半行コメントを4つこさえるに留まってきた。
なんとも中途半端に与えられるこの自由空間のない素晴らしい履歴書シートも存在するらしいが、多忙なので手に入れることができず、また、考えさせられた。
就職にはわりと前向きな最近なので、前回の履歴書には2、3行のコメントを添えたのだが今度はその気力もなく、結局、それぞれ「情報処理」「人に好かれる」「ノリの大切さを知った」「笑われること」と力のない字で書き込む。
余力がなかったのは確かなので、半行コメントや体言止めを駆使してしまったのは止むを得ないことだった。ただ、今回、自分が自己批判せねばならないことは、書き終えた時に沸いて出てしまった「どうよ」とばかりの不敵な感情なのだ。なにが「どう」なのか。まさか「ユニークだろ?」とでも?
中学だかそこらの時、「時を得たり」とばかりに埋めたアンケート用紙。暗めのクラスメートが暗めに、受身に公開したアンケートの答えはさっぱりおもしろくなかったが、棚上げが人より不得意だと信じていたその頃、不気味だとは感じてもまさかそっくりそのまま自分のことだとは思い至らず、とまどっていたのか。
なんたる先祖返り。十年も経ってるのに。自分は人好きのする合格答案を必死に書かなければならなかった。なんとなくそう思っていたが、「必死に」が抜けていた。それができなかったのに恥じもせず「どうよ」なんて。
猛省。